考え

「そうなればいいなぁ」を、
「これ、やってみましょ」に。

なぜ「AIをつくる」ではなく「AIの土台をつくる」のか。壁、実験、土台の三つの話です。

壁

やりたいことがあるのに、
やらなくてもいいはずのことで、一日が終わる。

そんな日が続くと、人は、やりたいことを口にしなくなります。返ってくるのは「そうなればいいなぁ」。やりたいことが無いのではなく、やるまでの重さを知っているから出てくる言葉です。

その重さを一緒に持てるかもしれない相手が、現れました。AIです。

そうなればいいなぁ

↓

これ、やってみましょ

この一言が気軽に出る所まで、壁を低くしたい。

実験

AIは、本当に頼れるのか。
自分の壁で、確かめました。

瀬戸内市のことを調べようとして、資料の山の前で立ち止まったとき、AIに聞いてみました。

何も渡さずに聞いたとき

10件

どの町にも言えそうな話ばかり。瀬戸内市ならではの話は10件ほど。AIは賢い。でも、その町の内情までは知らなかった。

資料を「たどれる形」に整えて渡したとき

91件

市の公開資料を、どのページに何が書いてあるかまでたどれる形に整えて渡した。瀬戸内市ならではの話が、人が確かめられる形で91件に。

出どころを突き合わせると

3件に1件

無作為に60件を、もとの資料と突き合わせた。およそ3件に1件は、完全には一致しなかった。AIが書いた「照合済み」の一言を、私自身が確かめずに信じていた。

会社でも、地域でも、大事なことほど、誰かの頭の中か、ばらばらの書類の中にあります。

「あの人がいないと分からない」。
それは、AIにだって分かりません。

土台

だから、AIではなく、土台をつくります。

役目は、二つだけです。

役目 1

大事なことを、残して、つないで、
AIにもたどれる形にしておく。

原本はそのまま残し、どこに何が書いてあるかをつなぐ。だから、AIの答えには必ず出どころが付く。

役目 2

AIの答えを、
人が確かめられるようにする。

AIは賢くなるほど、答えが正しそうに見え、人は確かめなくなる。その先は、どう生きるかまでAIに決めてもらう未来です。だから、確かめられる形にしておく。

AI

材料を出す

探す。集める。並べる。出どころを添える。

人

確かめて、決める

何を愛するのか。何を志にするのか。それはAIには決められない。

人は、自分で決めたことにしか夢中になれない。
だから、人が自分の夢を、自分の手で未来へつなぐための土台をつくります。

土台の設計を見る(8つの領域・3つの原則・3つの決め)

8つの領域

AIが状況を理解して動けるように、情報をこの8つの形で整えます。

  1. 1記録対話と活動、判断や失敗を残す
  2. 2識別人・物・場所・活動に共通の名前
  3. 3来歴誰が・いつ・何を根拠に・どう変えたか
  4. 4理解文書・会話・活動を横断して読む
  5. 5権限閲覧・利用・変更・実行・外部提供を制御
  6. 6行動検索・登録・通知・申請を実行
  7. 7接続個人・組織・地域のAIと協働
  8. 8責任承認・最終判断・停止の線を決める

AIが変わっても続ける、3つの原則

  • 再開できる現行方針・進行中の活動・未解決の問題を、次のAIがそのまま引き継げる。
  • 大切にする軸を継ぐ理念・価値観・判断理由を受け取り、見直せる。
  • 訂正・忘却できる誤情報や古い手順を直し、使っている先にも反映する。

守る、3つの決め

  • 特定のAI・クラウドに会社を合わせないAIは進む。土台だけは、作り直さずに済むように。
  • 一つの巨大なデータベースに統合しない各部署・各システムは独自の形のまま。AIが意味を翻訳してたどる。
  • 原本・手順・決定の記録は、持ち主が持つ提供元が消えても、残った物を次のAIに渡して続けられる。